分子機能研究所

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   最終修正日

   2017/04/10

 

プレスリリース

 

2015114

 

報道関係者各位

 

核内受容体スーパーファミリーにおけるリガンド認識機構の原理の解明に成功

 

分子機能研究所(Institute of Molecular Functionhttp://www.molfunction.com/jp/

 

分子機能研究所(Institute of Molecular Function;埼玉県三郷市)代表、辻一徳(ツジ モトノリ)が核内受容体スーパーファミリーにおけるリガンド認識機構の原理の解明に成功し、その成果が2015106日、Journal of Molecular Graphics and Modelling誌に受理された。本成果は画期的医薬品の開発を促進する次世代の創薬基盤技術に結び付く原理の発見として注目される。

 

【背景と成果】

核内受容体はリガンド依存的に直接遺伝子転写を調節して細胞の分化・増殖・アポトーシス、組織や個体の形態形成、生命維持に関わる代謝や恒常性を制御している極めて重要な転写因子であり、現在のところ人では48種類知られている。医薬では、がん、難治性疾患や生活習慣病などに対する画期的治療薬の開発に結び付く重要な受容体として注目されており、多くの医薬候補化合物が合成されてきているが、これまでに承認された医薬品は多くない。そのため、生体内で作用している天然リガンドやその類縁体による治療が現在でも主体であるが、極微量で様々な遺伝子発現に関わるために副作用や毒性が大きな問題となっている。

核内受容体はリガンド結合領域でリガンドが結合あるいは解離して大きな立体構造変化を引き起こし、遺伝子転写スイッチのON/OFFを制御しているが、構造変化を引き起こす動作原理についてはほとんど解っておらず、科学的な解明がなされていなかった。

今回、分子機能研究所代表、辻一徳(東京大学薬学博士)は、核内受容体スーパーファミリーのリガンド結合領域の受容体表面上に、1)リガンドになり得るか、なり得ないか、2)リガンドの形状や大きさ、3)作動薬となるか、拮抗薬となるか、を認識できる機構があることを原子・電子レベルで発見することに成功した(ヘリックス3三点初期結合仮説)。さらに、分子動力学計算を用いて、ヘリックス3三点初期結合仮説を満たすリガンドが上述のアポ体(リガンドが結合していない構造状態)の受容体表面に到達することで、ホロ体(リガンドが結合している構造状態)に構造遷移するシミュレーションに初めて成功した。本シミュレーションの成功を裏付けるために、量子化学計算を実施して構造遷移に関わるドライビングフォースを見出すに至り、核内受容体のリガンド認識機構とアポ体からホロ体への立体構造変化の動作原理を科学的に原子・電子レベルで証明することに成功した。

 

【今後の期待】

ヘリックス3三点初期結合仮説によって、これまでのように試行錯誤して開発される医薬候補化合物の設計手法を一新し、目的の核内受容体に選択的に、そして副作用や毒性をなくした薬が設計の段階で予測可能となり、創薬基盤技術の発展のみならず産業界に対しても大きく寄与するものと期待される。

 

【成果の応用】

辻一徳は上記研究を遂行するために、独自に製品化した創薬支援システム「Homology Modeling Professional for HyperChem」および「Docking Study with HyperChem」を2005年に国内外に先駆けて発表し、基礎研究分野のみならず社会・産業界にも貢献している。

今回の成果によって、「Homology Modeling Professional for HyperChem」および「Docking Study with HyperChem」による革新的薬物設計技術がより一層世界の研究者に普及するものと期待される。

 

【本件に関するお問い合わせ】

分子機能研究所(Institute of Molecular Function

341-0037

埼玉県三郷市高州2-105-14

TEL048-956-6985 FAX048-956-6985

E-Mailsupport@molfunction.com

 

【関連リンク】

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http://www.molfunction.com/tsuji_jp/

 

ELSEVIER

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